◇FC展開(フランチャイズ展開)について

◇FC展開(フランチャイズ展開)をご検討の経営トップの方へ

■多店舗展開の成功の鍵は、商品力や運営力でなく、出店戦略て本当?

私は、前職コンビニエンスストアチェーン本部に31年在籍し、店舗数が3,000店から20,000店に至るまで、現場でその過程を体験しました。前職のコンビニ本部(セブンーイレブン)は、他チェーンとM&Aをせず唯一単独で20,000店まで成長したチェーンです。

それが可能になったのは、一番は加盟店経営者の皆様がFCビジネスの根幹たる役割分担を遂行する力があったことは言うまでもありません。

それを除けば、チェーン本部の店舗経営指導力、出店戦略及び店舗開発、商品開発及び調達力、販促活動、物流戦略、店舗建築・什器備品提供、会計簿記サービス、その源の加盟店基本契約書と色々な要因が絡み合って成り立っている事も間違いありません。

だだ、世の中ではあまり話題になりませんが、多店舗展開の胆は出店戦略であることは事実です。

■リクルートの仕事は、オーケストラの指揮者だ

前職では、店舗開発部門・開発担当者を、店舗開発とは呼ばず「リクルート」と呼んでいます。それにはチャンとした理由があます。これはまた別の機会にお話しさせていただきます。

そのリクルートの仕事は、担当エリアの出店戦略・候補地選定とその場所の確保で終わりでありません。

➀担当エリアの出店戦略・候補地選定を行います。出店戦略・候補地は会社に見える化し、事前に承認を取り付けます。

➁選定した候補地の所有者に多頻度訪問し世間話から始め面談・交渉を繰り返し、その賃貸借条件等を纏めていきます。

③交渉の見込みがたったら並行し、候補地の正式な立地調査を行い、会社所定の候補店立地調査書を作成し提出します。その調査書を基に売上予測が出力されその数値が基準値に達しているれば進行可となります。未達の場合は進行不可となり今迄の準備・交渉は無となります。

➃土地所有者との条件が纏り、売上予測が進行可の候補地は、担当者が出店稟議書を作成し会社に進達します。

⑤稟議進達後、社内各進達部署(リクルート部内、店舗運営部、建築設備本部、商品部、資金部、財務部、法務部、企画)の各質疑に応答の上、出店の可否判断を貰い、最後に会長・社長決裁を受けて可の場合は出店承認となります。

この稟議進達を成す為には社内各部署の役割を理解・把握しておかないと適切な対応ができません。この点が社内各部署が楽団構成員で、リクルートが指揮者という所以です。

■売上不振店の出店責任は、トップでなくリクルートに落ちてくる!

この仕組みは他社にはないことを退職してから認識しました。

前職では、リクルートが出店稟議書を起案し各部署で其々の観点で出店可否を判断し、最後にその判断をみて総合的に経営トップが決裁する仕組みです。

出店の可否判断はトップの専任事項ではないのです。出店した店舗が売上不振店の場合、責任はトップでなく、リクルートに落ちてくるのです。

他社にはない仕組みです。これが一定の質の高い店舗を多店舗展開できる可能にする仕組みなのです。是非、広がって欲しいと願っています。

■候補地確保ができたら、第2ステージの演奏が始まる!

⑥出店可の決裁を受けたら、契約書の確認があります。締結する契約書が決裁条件通りの契約内容か確認する。その責任もリクルートです。その上で所有者と契約締結です。契約金等の支払い手配もリクルートの責任です。

⑦一番多い賃貸借契約の場合でこの後の業務を説明します。契約締結が完了したら、即自社の建築担当者と推奨設計事務所と家主さんとの面談、打合せの段取りと正式現地調査のスケジュール調整です。

⑧建築進行上の問題を洗い出し、行政確認及び調整を指示依頼や自ら交渉にも立ち、問題点対応を行い並行して建築設計図面作成をして貰います。建築設計図面ができたら建築見積説明会立会です。基本相見積もりです。その上で見積もり書を設計事務所がチェックし、確定金額で業者決定し、請負契約に進みます。

工事が契約上全てが自社区分の場合は楽ですが、貸主サイドの工事区分がある場合は家主側との調整窓口はリクルートの役割と責任になります。

⑨建築工事に着工したらスケジュール管理はリクルートが行います。一度設定した開店日は什器備品、商品搬入、販促チラシ、経営者研修、従業員トレーニングと全てに連動する為、簡単には変更できません。建築工事の問題点が発生した場合は、リクルートがその解決に中心で当たります。

特に貸主工事が発生している場合の社外業者との調整は重要な役割です。

⑩その業務と並行して、店舗経営者の選定と決定される業務があります。店舗経営者候補者とリクルート自身の面談にて、候補者の加盟店契約書の本部と加盟店の役割分担(権利と義務)の理解の上での取組み意志確認、人的取組み体制の確立、財務体質の確認の上その人選が固まったら、上長二人、店舗運営部門責任者との面談を調整して実施します。

その上問題が無ければ、経営者稟議書を作成し、社内に起案し物件と同様に進達部門からの質疑に応答し可否判断を貰い、最終的に社長の決裁を貰います。可の決裁が下りれば、加盟店契約締結ができる状況になります。

⑪契約にあたっては加盟者に再度加盟店基本契約書を全て読み合わせを実施(4~5時間)します。その上で契約の意志を確認し契約を締結します。リクルートは一人の経営者を決めるのに加盟店契約書を1回説明し1回読み合わせをします。(社内用語でBOOK1、BOOK2と呼ばれる)

よって契約書の内容は社内で法務部門と同等に精通しているのです。言い換えれば法務部門を除けば一番精通しているのです。

⑫加盟者(経営者)との契約締結が完了すれば、運営部署の責任者と担当者との面談の段取りと実施です。それと経営者が受講する経営者研修の案内とスケジュール調整と決定をします。

この段階で店舗開店に向けて経営者が準備すべきことの本部窓口がリクルートから店舗運営部署に移り始めますが、経営者の税務署を含む関係行政への届出等や経営者としての店舗総合保険等の窓口は残ります。それと家主と経営者の引き合わせが重要な業務としてあります。

⑬開店前の店舗への什器備品と商品の搬入は、店舗運営部門のサポートをします。そこでのトラブルで開店を変更することは出来ませんのでコントローラーとしての責任は重いです。後従業員教育のフォローと進捗確認、店舗近隣への販促活動のサポートと進捗確認等もコントローラーとしてしっかり実施しないと順調なスタートは切れません。

⑭開店日前日のセレモニーターンキーで、リクルートとしての仕事を完了し店舗運営部門へ主管が移行されます。貸主との完結書(賃貸借スタート)の締結等も全て済ませます。

⑮開店日に開店を無事させ、見込み売上が達成できればやっとホット一安心です。行かないと不安な日々がスタートします。また次の開店に向けてスタートする中で、店フォローが発生してしまいます。売上が上手くスタートしても、経営者の心のフォローは店舗運営部門との役割分担でリクルートの役割となります。

賃貸借契約後から開店迄の流れをみてもらても、オーケストラでいうと、加盟者、社内各部署、貸主、社外業者様が楽団構成員で、リクルートが指揮者の構図になりませんか?

以上の一連の流れが、リクルートの仕事になります。

今思うと実務として約300店舗開店させ、上記業務をすべて経験している者は前職の中でも退職時点で創業40年で100名いませんでした。社内では自身で70件以上開店させたリクルートを野球でいう名球会の様に讃えてくれていました。

そして、私はコンビニエンスストア店舗オンリーですが、世の中の店舗開発で自身で70店舗以上開店させている人が希少な存在であることを知りました。

■フランチャイズビジネスと多店舗展開を実務として体験しているはリクルートだ!

上記①~⑮の様な業務上の責務が発生し、それを全うする職務を体験してきているので、フランチャイズ展開を考えている経営トップの方に、その仕組みの作り方と各部署の実務についてアドバイスができると自負しております。

ご興味をおもちいただけましたら、お気軽にご質問ください。お待ちしております。
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