弊社が提唱する「客観的商業店舗立地選定方法」の根幹をなす「顧客4分類法」についてお話しさせていただきます。
■同業他社のセミナーに参加して
世の中には、弊社以外にも多くの商圏分析・立地評価をされている方、企業様がいらっしゃいます。
退職後、同業他社様のHPを拝読し複数のセミナー受講し、勉強させていただきました。
皆様、言い回しは違うモノのお話しされている内容はほぼ同じでしたし、弊社が目指す内容とも同じでした。
ただ、その内容・説明は店舗開発者向けであり、初めての方には専門的で一度では理解しにくい説明・内容でした。
■セミナー参加者の反応
どのセミナーも講師の方が、熱心に丁寧に説明されています。自分は長年コンビニの店舗開発をやってきたので、その説明を聞きやはり飲食店でも同じだとかサービス業でも同じだと気付くことが多々あり勉強になりました。
しかし、始まって40分位を過ぎ内容が専門的だなと感じると受講者の中に眠る人がで始めるのです。心ここにあらずの状態になっている人も増え始めます。セミナーの内容は場所の選定には大切な価値ある内容なのにです。
何故と思い考えてみると、いままで経験の無い知識を一度に大量に与えられるので知識の整理ができずオーバーフロー状態になり体が拒む反応がでていたのです。初めて聞く人には理解出来ない伝え方になっていることも分かりました。
自分も、前職において自社の店舗開発新人担当者トレーニングの内容で、社外の協力業者の営業マンに実施した時に全く伝わらなかったことを思い出しました。対象の方が理解出来る伝え方になっていないと、何も残らない・その価値を伝えられない内容になるのです。これは勿体ない、話し手が聞き手に分かる様に変容するしかないと思いました。
■現場経験を通して、全ての業種業態に当てはまる法則=2万店舗が教えてくれたこと
少し話が飛びますが、自分が前職と退職後の経験を通して確信したことは、前職コンビニ店舗出店場所の選定方法は商業店舗全業種業態に問題なく通用することです。退職後の活動で「それはコンビニだから飲食は違うよ」とか「病院には通用しないよ」とのご指摘をいただきました。
自分も当初自身が無く通用しないのかもと思っていました。そこでそれぞれの業種業態で選定方法を育成業者と現場で試してみましたが選定場所に問題なく依頼企業様と成約をしました。依頼企業様の事業コンセプトの「誰に」「何を」がしっかり共有できれば、「どこで」の選定手法は適用したのです。
では、2万店が教えてくれた出店の定石とは
◆その1 事業にあっていない場所は売れない
商品が同じ、CM・SNS販促も同じでも「その商品がお客様にあっていない場所では売れない」併せて「誰が経営しても事業にあった場所では売れ、事業にあっていない場所では売れない」こと。
◆その2 賃料の坪単価と売上は比例しない
自身で開店させた295店舗でも、賃料が高いと売上が高いという賃料と売上の相関関係は有りませんでした。
◆その3 空きテナントから出店場所は見つからない
自身の開店経験でも、空きテナント(募集看板がはってある案件)から出店基準をクリアする物件は滅多に出ませんでした。前職では空きテナントに出店した場合は、短期閉店案件が多かったです。
◆その4 現地確認が一番大事
先ず地図データの収取・分析を実施しますが、それは現場確認・調査の精度を上げる為にするのです。机上のデータだけでは見えないことが必ずあります。一番大事なのはデータ分析で仮説を立て必ず現場確認・調査を行うことです。
◆その5 多店舗展開成功の鍵
前職で複数店舗経営で成果をだしている経営者の方々は、皆さん基本10店舗までは経営者が全店を一日で訪店できる位置にあります。
◆その6 店舗認知度と売上の関係
前職で東京都の店舗平均売上(約2,800店)と東京出店20年後に出店開始の大阪府の店舗平均売上(約1300店)は、未だに約10万円違う。
■顧客を先ず4分類してから説明すると、誰でも説明を理解してくれる
前職で、店舗経営希望者約250名強、見込み地主・家主様約400名強の方々に出店候補地の商圏分析・立地評価を説明して来ました。
最初の頃、一生懸命説明すると必ず起こることが説明を聞いている方々の中に欠伸をする人、居眠りをする人が出るのです。
当初、失礼な人だと一人憤慨をしていました。しかし、途中から誰でも分かる4つのお客様の切り口でそれぞれこの場所はどうだと簡単な説明に切り替え、併せて具体的な事例を使い補足説明すると最後までしっかり聞いて貰えるようになりました。
説明が終わると、経営希望者からは出店する場所の価値が分かったとの言葉を、地主・家主様から良く調べてくれたそれなら貸しても安心だねとの言葉をいただくようになったのです。自分としては、簡単な説明で拍子抜けでした。
その時は気が付きませんでしたが、今は専門でないことを専門レベルで説明されても理解出来ないのが普通であり、私の最初の説明は理解出来ず、苦痛だったのだと思います。
しかし、自分が変容し同じ内容を、聞き手が理解出来る表現で説明すれば、聞き手にとっては全く別物になるということです。のちに池上彰先生の伝える力を読んで理解する事になりました。
■協力業者新人育成でも、顧客を4分類に分けると説明すると理解が進む。
更にこの事が腹落ちしたのは、前職で社外協力業社の店舗開発サポート者(約150名強)を2年に渡り、戦力化した時の経験です。この時も最初は、自社の店舗開発新人教育(計130名強)を実施していた経験から同じ内容で同じレベルに戦力化できれば、物凄い成果が上げれると意気込んでいました。
しかし、結果は対象者の反応は糠に釘でした。サポート者はあくまでのサポート者であり、自社店舗開発担当者の様に本業ではないのです。サポートでも本業と同じ知識を持って貰えれば差別化できると考え取り組みましたが大きな間違えでした。
サポート者でも一人二人ならその素養や立地に興味があれば可能かもしれませんが、150名となると私の考えは通用しませんでした。
単純にいうと内容を難しく説明しており、何をサポートすれば良いか分からない。シンプルに具体的にやるべき行動を伝えた方が行動しやすかったのです。
今回は、直ぐ気が付き、やるべき行動を誰でも分かる4つのお客様の切り口で説明したこところ理解が一気に進みサポート活動の質が上がり成果に結びつきました。サポート行為に興味をもち主体性ある行動に変わった結果でした。
この時、店舗立地選定方法の説明は4つのお客様に分類する切り口を使った説明から始める、そうすれば初めての人でも理解し分かり易く興味を持って貰えると確認しました。
■店舗開発のプロが使う「良い立地」と、世間の人が使う「良い場所」との違い
見た目で良い場所が良い立地であることは多いのですが、人気がある住居と同じで人気のある場所は賃料が高い場合が多いのです。売上が高くても賃料が高いと経費も高くなり利益を圧迫します。そして賃料が高いからと言って売上が高くなるとは保証されいません。
良い場所とは、利益がしっかり出る場所です。
利益=売上ー原価(食材費)ー経費(人件費、賃料、その他)
世の中では、平均的に商業店舗は売上が10%下がると損益分岐点に達し利益ゼロになると言われてます。
今「コンビニ各社」を始め、「いきなりステーキ」・「ホットもっと」等の閉店の原因は以前より売上に対する賃料の比率が高くなり、想定売上にいかないスタートの店舗とか開店時より売上が下がるといきなり利益が少なくなる・無くなってしまう店舗が多く発生している状態になっている。
そうなると企業として、新規出店を控え出店基準を見直すや売上回復できない限り閉店せざるを得ない状況なのです。
■顧客4分類法とは
世で言う良い立地と店舗商売するのに良い立地の違いが分かっていただけたでしょうか?
では、適正賃料で商売が繁盛し、しっかり利益を上げるお値打ち・お宝な場所の見つけ方についてお伝えします。
全ての小型商業店舗に来店するお客様は4種類の客様しかいないのです。
あなたの事業の主たる顧客が多くいるエリアを先ずデータ上で見つけ、次に実際現地でそのエリア内でお値打ち・お宝な出店場所の選定に取組めばよいのです。
全てのお客様を4種類に分類する方法を覚え、ご自分の店舗はどのお客様を主たる顧客にするのかが分かれば、顧客4分類法の6割クリアです。
あなたのお店の主たる顧客は4つの顧客すべてが該当することはありません。一つか多くて二つです。2万店が教えてくれてます。(追って事例でお伝えします。)
このことが腹に填まれば、主たる顧客にフォーカスしてその顧客の「量と質」と「店づくり(接近性・視界性等)」について、知識を持てば良いのです。
それができれば主たる顧客が多くいるエリアを先ずデータ上で見つけ、次に実際現地でそのエリア内でお値打ち・お宝な出店場所の選定に取組めばよいのです。
この手順は、出店場所の選定の無駄を排除し生産性はあがります。もちろん良い立地(お値打ち・お宝、儲かる)に出店できる精度は上がります。このことを自分は前職で数多く実践し実証してきました。
よって、一般的な立地学の内容と違い全てを多く学ぶことなく、ご自分の主たるお客様に特化してその必要な知識だけ持てば良いのです。通常の4分の1覚えれば良いのです。時間の短縮ができます。また同じ時間を使うならその顧客についてより深掘りができます。
お店の主たる顧客を明確にし、その主たる顧客が多くいるエリア(=商圏)を集中的に探すという視点があれば、適正賃料のお宝・お値打ちな場所(=立地)は探せるのです。
安心ください。私は自分自身で現場にて数多くの失敗と成功を重ね、その手法が間違えないことを実証して来ました。
◆お客様をまず4種類で分類する
おまたせしました。では、下図をみて4種類のお客様を書き出してみてください。
■来店するお客様を4種類に分類してみる
直ぐに4種類、またはそれ以上お客様が頭に浮かび、書き出だしていただけたと思います。
その答えは全て当っています。
ですが、そのお答えいただきたお客様は下記の図の中分類にあたるお客様なのです。
大分類のお客様4種類を上げていただいたいのです。
■顧客を中分類でなく大分類で4種類に分ける。
では、答えです。
その1 ①候補地の最寄りに住む住民
その2 ➁候補地の最寄りに働く就業者
その3 ③候補地の前を通る車
その4 ④候補地の前を歩く人
の4種類です。
■顧客を大分類で4分類に分けると
実際に答えを聞いてみればコロンブスの卵なのですが、この4種類になるのです。
この当たり前のことを正しく理解いただければ、あなたも相手に分かり易く立地が語れます。
◆商圏と最寄り商圏は何が違う。
次に、最寄り商圏の、最寄りという言葉の意味を説明します
各チェーン本部は、出店する際に自店に来店を見込むお客様の住んでいるのお客様の範囲をしめす言葉です。
下記の表を理解するための参考にして下さい。
それぞれの業種業態で、それぞれの最寄り商圏を独自に設定をしています。
あなたも自分・自社の最寄り商圏を設定する必要があります。
■顧客4分類法 最寄り商圏とは
ここで、質問です。
4つのお客様の①最寄りに住んでいる人・②働いている人が来店手段として歩き・車で来店する人と③前を歩く人と④通る車は、違う分類ということが分かりますか?
この違いが分かる方は、4つの客様の分類が理解できています。
分らない人も安心ください。それをお伝えすることが、弊社の役割です。
◆来店頻度と来店時間
次に、心理学の話です。
皆さんは、ユニクロに買い物に行くのにその時間が片道1時間かかってもイライラしたり行くのを止めたりしますか?
コンビニ行くに10分かかるとしたら、余程でない限り行くのを止めてませんか?
何故、こんなことが起こるのでしょうか?
下の表を参考に考えて下さい。
■顧客4分類法 顧客が許容する来店時間とは?
◆商圏とは、住んでる人と働いている人のボリュームで決まる。
順番が逆になりますが、ここで商圏について説明をさせていただきます。
■顧客4分類法 商圏とは?
来店するお客様は、4種類と申し上げましたが、①住んでいる人と②働いている人は、基本不動でその土地に張り付いています。しかし、③前を通る車と④歩く人は基本動いています。
よって、商圏とは不動な①と②で表現します。
同じ商圏内でも、道が1本違うと③と➃の通行量は大きく違うことはざらにあります。
①と②の顔の向き(駅等に向かう道筋)を知る為には、データ以外に現地調査(インタビュー)もですが、③と➃は現地調査が無いと基本何も確認が取れません。
現在はスマホの位置情報から計測する法が出てきていますが、一般に人は高額で使用は困難です。手間はかかりますが実査が必要です。
◆あなたの店舗は何処に位置しますか?
あなたの店舗は、「何を」商品を「誰に」どの顧客を主たる顧客に提供していくのでしょうか?
「何を」「誰に」が明確になっているなら、下記の図の「何処に」位置するか記載して見て下さい。
■顧客4分類法 各顧客を主たる顧客にする店舗は?
◆今一つ、「誰に」がクリアにならないあなたへ
あなたの商品を「誰に」提供するのかを下記の図の手順にしたがって、更に掘り下げて下さい。
■顧客4分類法 『誰に』をブレークダウンしてみましょう!
◆富士そばさんを例にとって、顧客のブレークダウンしてみましょう!
上記の表をみても、実際に初めて実施する方にはイメージができにくいと思います。
富士そばさんを例にとって、実際に顧客の深掘りをしてみました。
■顧客4分類法 富士そばさんの顧客『誰に』をブレークダウンしてみると
結果を、顧客4分類の表に記載してみると次の様になります。
■顧客4分類法 富士そばさんの「顧客4分類表」での位置は?
富士そばさんの位置は、人が湧き出る施設(駅)とビジネスマンが多いオフィス街とを結ぶ導線上ということが分かります。
実際富士そばさんの出店ている場所とマッチしていますね。
そうなのです。あなたのお店が顧客4分類の表に記載できれば「何処に」出店すべきエリア(商圏)は自然と分かってくるのです。
◆おなじドラックストアでも明確に主たる顧客は違うのです。
下記の表を見て下さい。
ドラッグストア各チェーンによって、主たる顧客の設定は違うのです。
ご理解いただけますか?
この表がご理解いただければ、顧客4分類法の大きなヤマは無事クリアしました。
■顧客4分類法 ドラックストアでも各チェーンで主たる顧客は違う
◆次は、それぞれの顧客の「量と質」について理解を深めます。
顧客4分類の表を、活用いただけるようになりましたか。
飲食店、ファストフード、カフェ等、是非ご自分で主たる顧客別に落としてみて下さい。それぞれ主たる顧客の設定(戦略)の違いが分かります。
この顧客4分類の表に落とせれば、街の見方が変わり景色が違ってきます。街歩きが楽しくなっているはずです。如何ですか?
次に、4つの顧客の中で、自分の店舗に必要な顧客の「量と質」について、その分析方法・手順を覚えて行けば良いのです。
■顧客4分類法 次のステップへ 4つの顧客の各「量と質」の分析へ
■無料セミナーでは、90分で商業店舗立地診断士の泉が、「顧客4分類法」を直接あなたにお伝えします。
是非無料セミナーにご参加ください。お待ちしております。先ず顧客4分類法をマスターし、街の景色を変えてください。